テレビ各局とも秋の編成がスタートした。 ただ、今のところ新番組でこれは!と注目するようなものは見当たらない。 そんな中で、ちょっと気になる動きが違う局で編成されている。 一つはNHKの「 ママさんバレーでつかまえて 」。 もう一つはCXの「 東京DOGS 」だ。 前者はワンシーンの公開コメディー。 後者は小栗旬と水嶋ヒロのイケメン俳優が主演している刑事ドラマだ。 この二つの番組に共通するのは、表題にも掲げたレプリカ番組ということだ。 「ママさん~」は『さまざまなトラブルがコミカルに展開していくライトでポップな舞台仕立ての新感覚コメディー』(番組サイトより)と謳っている。 だが、こうした観覧客を前にノンストップで収録するスタイルは、もうテレビ発生の頃に既に視た経験がある。 例えば、「ルーシーショー」や「奥様は魔女」などがそれで、子供の頃とても楽しみにしていたアメリカのテレビ番組だ。 だから私にとって、ワンシーンのコメディードラマという設定に新鮮味はない。 「東京DOGS」もイケメンコンビのコミカルなやり取りは舘ひろしと柴田恭兵の「あぶない刑事」を髣髴とさせる。 二人の刑事の活躍するドラマとしては1979年~1981年に放送された「噂の刑事トミーとマツ」にその基を辿ることができるだろう。 そしてこうした番組は、アメリカの刑事ドラマ『刑事スタスキー&ハッチ』や『特捜刑事マイアミバイス』に大きな影響を受けているということを忘れることはできない。 二番煎じ、三番煎じだから悪いといっているわけではない。 前作以上のクォリティーで見せてくれれば文句はない。 だが、残念ながらいずれもそのレベルには達していない。 「ママさん~」では出演者全員に細かいキャラクター設定がされているようだ。 しかし、今までのところそれらが生かされているとは思えない。 舞台感覚のライブということで出演者のドタバタコメディーの面ばかりが前に出る。 演技にしても、台詞回しにしてもテンポが一定なのだ。 「ルーシーショー」のビビアンのような存在感を持った出演者は今のところいない。 黒木瞳は今までにないコメディーということで熱演しているが、全員が同じテンションで熱演するからただ喧しいだけのコメディーになっている。 もう少し台詞回しなどにメリハリがあってもよいのではないか。 「東京DOGS」は『人間くさい刑事2...
私にとってテレビとは――
遠くにある「今」を伝えるもの
それは空間的な距離だけではなく、イマジネーションの遠く…
30年以上に亘って生きてきたテレビの世界。
今その世界に別れを告げ、客観的に視ることができるようになった。
これから先、テレビはどこに行くのだろう。どうなってゆくのだろう。
そんな意識を持ちながら、テレビの今を見つめます。
ちょうど親たちの老後を心配していた時のように。