NHK「スタジオパークからこんにちは」のキャスター、武内陶子アナウンサーが12月で産休に入った。
サイトでは降板となっている。
現在この番組は岩槻里子・山本志保・住吉美紀の3名のアナウンサーが交代で司会を務めている。
「スタジオパーク…」は月曜日から金曜日まで毎回NHKの番組の宣伝を兼ねたゲストとのトーク番組だ。
タイに住んでいたころはこの番組しか視るものがなく、ほとんど毎日視ていた。
どこかピントが外れた質問が飛び出した渡邊(黒田)あゆみアナウンサー。
端々から「ワタシ、本当はこんな番組やりたくないんだから」という匂いがプンプンしていた有働由美子アナウンサー。
彼女達の司会ぶりに一人文句を言いながら視ていたものだ。
それが、2007年夏に武内陶子さんに代わって、喝采を持って迎えた。
私は武内アナを、テレビマンとしても視聴者としても好きだ。
女性版徳光和夫だとさえ思っている。
アナウンサーとしての技術~声の表情や表現力、滑舌のよさに加えて、ゲストを和ませる話術。
ゲストについての勉強もしっかりされていることが随所に感じられた。
そして、NHKのアナウンサーらしくない当意即妙の言葉選びで、画面を暖かな雰囲気にするのも好感を持って視ていた。
あるとき、男性ゲストが奥さんに寛容なことを話したとき、「今奥様たちのポイントがアップしましたよ」といってゲストと会場の笑いを誘った。
見事なリアクションだと思った。
普通のNHKのアナウンサーから出る言葉ではなかったろう。
民放も含めた歴史上の女性アナウンサーの中で、文句なくBEST1の称号を送りたいと思っている。
さて、そのピンチヒッターとして登場してきた3名のキャスターたちである。
いずれ劣らぬ才媛で、経験豊富なアナウンサーたちだが、これがどうもいただけない。
NHKの悪いところを全部背負って立っているかのような不出来ぶりだ。
ゲストに対して事前準備や勉強をしていないことが見え見えの薄っぺらさが気になる。
それでいて、台本通りの進行に固執するからトークが弾まない。
何よりゲストに対して興味を持っている=面白がっているとは思えない。
質問にも「いかがでしたか?」が連発されるのも気になる。
この言葉からは短い言葉しか期待できない。
だからトークが膨らまないし、ゲストの人となりが出てこない。
日本テレビの多昌アナウンサーは、野球のヒーローインタビューのときにどうやって選手にたくさんしゃべらせるかに腐心したという。
その結果彼なりの短い質問というのを編み出した。
相手にたくさんしゃべらせるというのもアナウンサーの重要な仕事だ。
台本通りに番組を進められたからOKでは面白みに欠ける。
視聴者はこの番組で番組のPRやその舞台裏を視たいのではない。
ゲストの素顔の一端を視たいのだ。
一つの番組を預かるにはそれだけの責任感を持って進めて欲しい。
それでなければまたPRに躍起になっているNHKという印象しか残らない。
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