「クイズ・ヘキサゴンⅡ」が絶好調のようだ。
それは視聴率の面からだけでなく、番組の勢いという面、制作サイドと出演者の疎通という面なども含めてのことだ。
それは島田紳助さんがヘキサゴンファミリーと、主なレギュラー出演者たちを呼ぶなどからしても、よい空気感が伝わってくる。
少なくとも今のところは出演者それぞれが存在感を得ている。
その正月特番で、この番組から誕生した羞恥心が音楽活動を休止することになった。
真に2008年を疾風のごとく日本中を席巻し、1年足らずの間で音楽界に一つの足跡を残す活動をしたといえるだろう。
番組が生んだ副産物とはいえ、その勢いはたいしたものだった。
この番組が生み出した『オバカタレント』は芸能界に新たな1ジャンルを築いたことも見逃せない。
今までクイズ番組といえばANBの「クイズ雑学王」のように正解率の高いに人にスポットライトが当たるものだった。
しかし、ヘキサゴンではタレントたちの無知さを笑いの種とすることでオリジナリティーを勝ち得ている。
ただ、羞恥心をはじめPaboのメンバーたち、残念ながらオバカのほかにこれといったキャラクターがないようで、他の番組に出てもまったくおもしろくない。
紅白歌合戦でも四文字熟語などいわされていたが、会場から笑いを誘うことはなかった。
やはり島田紳助さんの父親の愛すら感じさせつつの突込みがあってこそ生かされているということだろう。
そんなブームに肖ろうというのだろうか、日本テレビが1月3日に「おとなの学力検定スペシャル 小学校教科書クイズ!!」なる番組を放送していたが、これが惨憺たるでき。
単なるパクリで、局の姿勢を疑いたくなるような番組だった。
ヘキサゴンファミリーのメンバーも出演していたが、まったく持ち味が生かされていなかった。
こんな番組を作っていたら、日本テレビはこの先もジリ貧状態が続くに違いない。
ところで、ヘキサゴンファミリーを見ていて思い出すことがある。
だいぶ昔、業界では大御所といわれていた先輩から教えられた。
それは、文化や流行はおよそ18年毎に繰り返すということだ。
そんな面から考えると、確かにオバカタレントといわれる人たちが人気を獲得しているのも理解できる。
彼らはけして視聴者を笑わせているのではなく、笑われるタレントだ。
18年前を振り返ると、確かに同じようなタレントが登場していたことが思い浮かぶ。
松村邦弘さんがテレビに出演するようになった時、「電波少年」の土屋プロデューサーが、彼を笑われるタレントと評していた。
真に先輩の分析が核心を突いていたと納得している。
「ヘキサゴン」を演出している奥村達哉君は、以前2本ほどディレクターとして下に就いてもらったことがある。
その頃は、弁が立つというわけでもなく、それ程際立って面白いことを考えているというタイプではなかった。
ただ、人が嫌うことのない素直な印象で、そんなところが紳助さんとうまくいっているのかもしれない。
彼に限らず、弟子が活躍している番組を視るのは嬉しく、楽しくもある。
テレビの世界に輝く1ページを遺したことを、高く評価したい。
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