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疑わしい「ケータイ大喜利」


NHKの「ケータイ大喜利」という番組がどうしても気に入らない。
毎月第一と第三土曜日の深夜に放送されている。
内容は、生放送中に出題される大喜利のお題に、視聴者が思いついた「答え」を携帯電話からメールで投稿するというもの。

実は私もテレビ屋時代に「うるとら7:00」という投稿で成り立つ番組を演出していた。
そうした経験からいわゆる投稿番組というのは嫌いではない。
一般の視聴者から寄せられるアイデアというのは、プロの作家が作るネタにはない笑いを提供してくれる。
実際、「ケータイ大喜利」にも数多くの笑いの種が集まって来る。

ではどこが気に入らないのか。
それは番組の最期に発表される応募数だ。
この数字がどうにも胡散臭い。
4月4日の応募総数は420,712本だったという。
これはたいへんな数字だ。
大体、視聴率1%は約60万人の人が見ていることになるといわれている。
ということは、この応募数は視聴率では0.7%に匹敵する。

この番組を見ている人全員が投稿するとは思えない。
その逆に1人で何回も投稿する人はいるかもしれない。
そうしたことを相殺して、どんなに多く見積もっても見ている人の約2~3%程度が投稿していると考えるのが一般的だろう。
ということは42万人の50倍近い人が見ているということになるわけで、それはなんと視聴率35%ということになる。
土曜日の深夜に視聴率35%というのはありえない数字だ。
仮に見ている人の10人に一人が投稿したとしても、視聴率7%ということになる。

何より信じられないのは、この応募総数が、放送時間が短かった時を除いて一度も(少なくとも私が視たとき)数が減らないのだ。
真にうなぎのぼり。
現実に、そんなことってあるのだろうか。

違う視点から見てみよう。
これは45分番組で、投稿可能な時間は40分を切るだろう。
ということは、1分間に1万件以上の投稿があるわけだ。
これをどうやって種別、選考しているのか想像すらできない。
作家を何人集めているというのだろうか。

送られてくる内容の99%は駄作だろうが、その中から秀作を探し出すというのは人間技ではない。
結局、この数字はウソだとしか思えない。
現実的には、40分間でに500本の投稿でさえ処理しきれないと思う。

そんなウソをベースに成り立っている番組を許すわけにはいかない。
特にこの応募数はNHKのアナウンサーがの発表しているわけで、NHKにとってはシャレではすまされない問題となる。
なにより、投稿者をバカにしている。
制作者は何をどう考えているのだろう。

この他にも、審査委員長と奉られている板尾創路がどうかというところもある。
ぜひ、根本的なとこから見直してもらいたい番組だ。

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