1月に入ってスタートした話題の力作ドラマが期待倒れの中、CXで若者をターゲットにした作品がおもしろい。
いわゆる月9枠の「VOICE~命なき者の声~」と火曜日の夜9時からの「メイちゃんの執事」だ。
「VOICE」は「篤姫」で小松帯刀役を好演した瑛太さnが主演する、法医学教室に学ぶ医学生たちの謎解きドラマだ。
毎週一つの変死体の謎が解明される。
出演者は月9らしく、生田斗真さん、石原さとみさんなど若い視聴者に魅力的なキャストが顔を並べる。
何より瑛太本人のキャラクターそのままのような、飄々とした演技がよい。
それが、細部にこだわりを持ち、それを解決するためにどこへでも行ってしまう。
いつしかまわりの仲間たちを巻き込んで、その変死体が残したメッセージを解き明かしてゆく。
変死体の謎を解明するといっても、犯人探しのサスペンスドラマではない。
彼らが解き明かすのは、死者が死ぬ前の心暖まる行動だ。
そこにこの作品のオリジナリティーがある。
学生たちのキャラクター付けがありきたりという面はあるのは事実。
また、時に安直に見えるシーン設定に満足できない部分はある。
画作りにももっと工夫が欲しいと思うこともたびたびだ。
しかし、それはこのドラマ全体に悪い影響を与えているわけではない。
それらを凌駕するだけのストーリーのオリジナリティーと、時に涙さえ誘う死者の最後の行動が見終わってからも心地よく心に残る。
きっと月9に設定されている視聴率の高いハードルを越えるのは難しいだろう。
しかし、一度視たら、癖になってしまう番組だ。
もう一つ「メイちゃんの執事」は前作の「セレブと貧乏太郎」に続くコメディーだ。
宮城理子さんの同名のマンガが原作になっている。
主演は水島ヒロさんと榮倉奈々さん。
この作品はなんといってもばかばかしいほどの設定と、イケメンの男優陣が執事として大挙出演しているところだ。
番組サイトによると、イケメンブームを作ったプロデューサーの作品らしい。
このドラマのお薦めポイントはなんといっても肩の凝らないばかばかしさ。
舞台は、お嬢様ひとりにつき、超イケメンで優秀な“執事”が付いてくる夢のようなスーパーお嬢様学校。
急にそんな学校に押し込められた東雲メイ(榮倉)が、中でも特に優秀で、超イケメンの執事柴田理人(水嶋)と共に、性格の悪いご学友のお嬢様のイジメを乗り越え、立派なお嬢様に成長していくという物語。
まあ、大映ドラマのようなイジメが毎回繰り返されるわけだ。
とても55歳にもなったオヤジが楽しみにするというドラマではないのだが、他に視たい番組がないこともあり、続けて視ている。
硬いことをいえば、榮倉奈々さんの演技にものたりなさがあること。
上戸彩だったら…と、思ってしまうことが度々ある。
もう一つ“らしさ”が出てくれれば良いと思うのだが。
まあ、そうした小難しいことを考えず、カラッと笑う番組というのも悪くない。
知り合いには内緒で一人で楽しみたいドラマではある。
コメント
コメントを投稿