昨年あたりからずっと感じていたことが、この金融恐慌で危機感にまでなった。
それは、今の日本が置かれている状況が80年前と酷似しているということにある。
1929年ニューヨークのウォール街の株価の大暴落に端を発した世界恐慌。
それはサブプライムローンによる金融破綻による今の不景気とシンクロする。
他にも、最近起こっている政治・経済・社会の動きの一つひとつが、戦争へと突き進んでいった過去の歴史を思い起こさせられるのだ。
まさにあの時代をトレースしているように思えてならなかった。
それが3月4日のNHKの「そのとき歴史が動いた 経済危機、世界を揺るがす」で世界恐慌を取り上げていたのを視て、はっきりと具体的な危機感として捉えるようになったのだ。
世界恐慌の後、日本は軍部が暴走して中国へ進出。
太平洋戦争へと突入していったという悲惨な歴史を持っている。
もちろん、私達はそうした繰り返してはならない歴史を知っているし、その頃とは比較にならないほど平和を望む大衆のアイデンティティーは高い。
しかし、忘れてはいけない。
当時、軍部が中国へ進出することを歓迎したのは国民だった。
何十万という日本人が中国や満州に進出して行ったのではなかったか。
あの時代、新聞は昭和恐慌によって勢いづかされた戦争へ流れを食い止めることができなかった。
それに対して現代。
あの時代にはなかったテレビというメディアは国の暴走を止めることができるだろうか。
インターネットは心から平和を求める大衆の声を集約し、増幅して世界の平和を維持することができるだろうか。
ひつだけ確信ともいえるような思いがある。
それは、現在のテレビ報道がイエロージャーナリズム紛いの行動しかとらない状況では、それは叶わないのではないかということだ。
インターネットはまだジャーナリズムとしてのスタンスを取り得ていない。
メディアとして未成熟の状況では、テレビに期待せざるを得ないのが悲しい現実だ。
これから先、テレビの役割は新たな重要度を課せられるようになると思うのだが、どうだろうか。
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