3月17日フジテレビ系で放送されていた「トライアングル」がようやく終わった。
関西テレビの50周年記念番組ということで超豪華な出演者を揃えた。
主役の江口洋介に始まって、稲垣吾郎、広末涼子、相武紗季、堺雅人、谷原章介、佐々木蔵之介、小日向文世、大杉漣、風吹ジュン、北大路欣也という名前を見れば、つまらない作品になるはずはない。
加えて、パリや上海にロケを敢行するなどたいへんな力作というのは伝わって来る。
残念ながら、彼ら全てが好演というわけには行かなかったが、それでも他のドラマに比べれば十分魅力的な演技を繰り広げてくれた。
この出演者達の熱の入った演技に惹かれて毎週視ていたのだが、最終回が終わってなぜかホッとした。
その理由は簡単。
長いのだ。
そういえば、前作の「チームバチスタの栄光」も長ったらしい作品だった。
この作品と作りが似かよっていると思っていた人も少なくはないのではないだろうか。
ストーリーの核心に近づいたように思わせながら、別の殺人が起こって、作品の求める犯人ではない人が逮捕されたりするところなどそっくりだ。
「チームバチスタ…」も「トライアングル」も小説が原作だ。
きっとそれを忠実に脚色したのだろうが、テレビドラマとしてはまだるっこしかった。
また、こ全ての配役がをいかにも犯人のように描くなどというところも似ていた。
ストーリーを膨らましているつもりだろうが、逆効果だったように思えてならない。
こんな風にしているから、主人公が「なぜそこまでこだわるのか」という点がくどく感じられ、テーマが濁ってくる。
もっと原点から構成を見直す必要があるのではないか。
今、民放ドラマは10本が1クールとして構成されている。
そこで思うのだが、10本まで構成できないのなら5本完結のドラマにしたらどうだろう。
今、ほとんどのサスペンスドラマが1時間か2時間の単発だ。
そのテンポに比べて、全10時間というのはいかにも長い。
もちろん読み物として緻密に作られた原作のことを考えれば2時間というわけには行かないというのは理解できる。
ならば、5本完結にしたらどうだろう。
そうすれば、きっと無理やり引き伸ばしているような印象はなくなると思うのだが。
同じようなことは「ありふれた奇跡」にもいえる。
5回完結なら余分とも思えるストーリーの膨らましを排除することができる。
山田太一脚本独特の台詞回しが嫌いだということは何度もここで主張している。
だが、そんな気になる部分も度外視することもできると思うのだ。
NHKでは連続ドラマを4本完結だったり6本完結だったりするが、これは正しい戦略だと思う。
10本でなければ表現できないならそれはそれでよいと思う。
だが、10本完結することを前提に構成するのは本末転倒だ。
放送回数は少なくても、充実した内容の作品を作ることが本当の意味での周年記念番組だと思うのだがいかがだろうか。
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