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40オヤジが綴る理想の娘の物語


3月20日テレビ朝日で「ゴーストタウンの花」を視た。
2009年・テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞ドラマだ。
受賞者は40歳の派遣工場作業員だそうで、シナリオを専門に学んだこともないという。
それにしては出演者達のキャラクター付けや環境など細かいところまでしっかりと書きこまれた作品だった。
最近のテレビドラマでは忘れられた感のある、高校生達の日常生活を淡々と素直に描いているドラマだ。

ストーリーの舞台は寂れたニュータウン。
そこに暮らす複雑な家庭に育つ女子高生の日常を描く。
父親はバツイチの派遣労働者で、再婚した継母とその2人の連れ子と住んでいる。
素直で明るい性格の主人公しおり(桜庭ななみ)は、学力優秀だけれども貧しさのため私立の進学校には進めず、将来は奨学金で大学に進学を目指す生徒会長だ。
学校が終わればコンビニでバイトをし、血の繋がらない妹や弟を親に代わってかいがいしく面倒を見る。

そんな彼女が親友のリナ(波瑠)から1歳年上で私立の名門校に通う従兄弟・啓(永山絢斗)を紹介される。
二人はすぐに意気投合、付き合い始める。
そしてちょっとした紆余曲折がありながらも、若い愛を育むであろう二人…。

見はじめて、どうもどこかで見たことがあるような気がした。
そう、NHKの「アグリー・ベティー」だ。
ちょうどの主人公のベティーと同じようなメガネをかけていて、しっかり者で家族思い。
いわゆる見てくれはパッとしないが、その性格のよさから友人達からは嫌われていない、そんなキャラクター設定。
家庭も、メキシコからの違法移民で、貧しいというところも共通している。

この番組を見終わって、50歳も半ばを過ぎたオヤジにはなんとも気持ちがよく、知らぬ間に笑みがこぼれてしまっているのに気がついた。
その理由は明確。
だって、この主人公の女の子はオヤジ達の理想像だ。
頭が良くて勉強もできる。
性格も明るく、素直で劣等生といわれるような同級生とも仲良くしている。
生活を助けるためにバイトをし、血の繋がらない妹や弟の面倒を見るのも厭わない。
ボーイフレンドとの恋だって、しっかりと節度を守っていて親にも秘密にしていない。
唯一、容姿が… と思っていたら、メガネをはずしたときの可愛いことといったらない。
こんな娘を持ちたいと全ての親が願っているはずだ。

主人公の桜庭ななみは番組途中で見せるコスプレ撮影会のモデルのとき、そして番組最期のメガネをはずしたときに息を飲むような可憐な美しさを見せる。
演技力も十分評価できるもので、深田恭子に続く美少女女優として名乗りを上げたといってよいだろう。
これから気にしてみることにしよう。

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