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スペシャルの季節で省エネ


3月もあっという間に過ぎ去ろうとしている。
民放各局では先週からゴールデンタイムにスペシャル番組を編成している。
全く困ったものだ。
というのも、なぜこの時季にこの番組を3時間以上も見せられなくてはいけないのか。
その根本的なところが見えてこない。

どの特番を見ても、出演者達の顔ぶれは同じで、座っている位置が違うだけ。
リアクションにしても案の定のボケと突っ込み。
ただスタジオが騒然としているだけのバカ騒ぎだ。
自分もそうした番組も作っていたが、今の特番よりはましだったように思う。
歳のせいかな?

何もスペシャル番組を作ってはいけないというわけではない。
でも、作るのなら放送するだけのスタンスがほしいと思うのだ。
例えば「全日本仮装大賞」。
放送回数が減ったけれど、仮装大賞は正月、GW、9月の連休と放送時期が決まっていた。
最近これに近いといえば、TBSのマラソンやゲームをちりばめた島田紳助さん司会のクイズ番組。
これは次のクールの番組をPRするための番組だから、期末期首に制作される必然性がある。
他局でも同じコンセプトの番組を制作しているけれども、この番組ほどのインパクトはなく、視聴率につながらないのが実情だ。

最も理解できないのは《警視庁24時間密着》的な番組。
日本テレビが、かれこれ20年近く前に放送して数字が良かったものだから、今や民放各局で同様の番組を作っている。
なんで警察官の活動を1年間に20回(民放5局が年4回放送だから)も見せられなくちゃいけないんだろう。

確かに制作サイドもこうしたレギュラー的な番組を作りたいと思っているはずだ。
ただなかなか高視聴率を記録できないから、あんな企画こんな企画と模索している。
そんな状態だから、ただ時間ばかり長く、内容は騒がしいというものばかりになる。
演出の方法にも目覚しいものはない。
特に今年はCXとテレ朝が開局50周年で、テレビ東京が45周年を迎えるから年がら年中スペシャルばかり。
もはや食傷状態だ。

そんなことなら「ヘキサゴン」のようにレギュラー番組をベースにスペシャルにした方が良いのではないか。
先日放送されたのは宮古島合宿だったけれど、それなりに楽しむことはできた。
レギュラーで慣らされている分、多少ダレてきても付き合ってゆくことはできた。
以前はそうした番組がいくつもあったはずだ。

もうちょっとレギュラー枠の潜在能力を信じてスペシャル枠の編成を望みたい。
そうじゃないと視たい番組がなくて、テレビを点けない。
だから夜が静か過ぎて、飽きちゃうのです。
まあ省エネには貢献しているということかな。

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