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地に堕ちた日テレのドラマ


このblogでほとんど日本テレビの番組について書いていないことにちょっと寂しさを感じていた。
というのも、私がテレビの世界に入ってから27年も日テレの番組を制作してきたから。
いってみれば私の故郷のようなものだ。
それが、これまで取り上げたのは、正月の「全日本仮装大賞」と駄作だったどこかのパクリのようなクイズ番組だけ。

書いているのはNHK、フジテレビ、テレビ朝日が主だ。
日本テレビの番組を批判することを避けているというわけではない。
批判的な内容でも何か書いているというのは視ているからで、ということからすると、私はほとんど日本テレビの番組を視ていないということになる。
なんだか故郷を捨てたような気がしてちょっと心苦しいところもあった。
ただ、視たいと思えるような番組がないのだから仕方がない。
もう少しオヤジたちも視たくなるような番組を編成してくれてもよさそうなものだ。
元々、日テレの視聴者層の年齢は高かったのだから。

そんなこともあって、無理やり日本テレビを視るように努力した。
結果、ガッカリした(>_<)。

水曜日の夜10時から放送している「キイナ-不可能犯罪捜査官-」は菅野美穂さんの刑事ドラマ。
この作品は事実をもとにつくられたオリジナルストーリーだということだ。
毎回起こる不可能犯罪事件を、主人公のキイナが世界中の怪奇現象の研究を基に解明してゆくというもの。
どうやら彼女は速読ができるらしい。
番組のサイトでは『類いまれな能力を持つ』といわれているが、この他には一目で書庫の本の数が分かるとか、コップに描かれている星の数が分かるということのようだ。

この番組を視ていて寂しくなってしまうのはその映像化のチープさ。
一晩で何十冊という専門書を読み切ってゆくときの映像は、毎回決まりのパターンらしい。
これが前時代的な映像処理で、その特殊効果の陳腐さは視ている方がつらくなる。
このシーンから、捜査員たちに不思議な現象の謎を解き明かすシーン。
その場を締めくくる沢村一樹さん演ずる係長が「そんなの何の役にもたたねえ」までの数分間は定型。
いってみれば水戸黄門で立ち回りから印籠を出して「下がりおろーッ!」までの流れのようなものだ。
日本テレビには矢追純一さんから始まって小川通仁さんなど超常現象に強いディレクターがいた。
そうした諸先輩に恥ずかしくないのかとさえ思えてしまう。

加えて、出演者のキャラクター付けにも工夫がない。
沢村一樹さんの係長は見飽きた容貌だし、小池栄子さんの同僚は「キャプテン翼」の実況中継のようなもの。
なにより、主役の菅野美穂さんも類いまれな能力の持ち主というよりは、ただ変な女という印象しか受けないのは私だけだろうか。
こんなキャラクターならTBSが深夜に放送しているチンケな刑事ドラマと大差ない。
もっとちゃんと見せてくれ~ッ!!と叫びたくなるようなドラマだ。

さらに「神の雫」もお粗末。
同名の人気コミックを原作にしたドラマだが、どうにもならないつまらなさ。
10分も視ることなくチャンネルをかえた。
CXの「のだめカンタービレ」やANBの「おみやさん」などを視てもう一度勉強しなおした方がよいのではないか。

これ以外の番組もタイトルを見ただけだが興味がそそられない。
日テレはだいぶ重症のようだ。
これから悪循環が始まって、低レベルな番組が続くことだろう。
というようなわけで、これからも当分日本テレビにはチャンネルをあわせることはないと思う。

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