相当高い期待感を持ってNHKの「沸騰都市 TOKYOモンスター」を視た。
NHKスペシャルの枠で8回シリーズの最終回。
しかし残念ながら、有終を飾るというにはなんとも物足りない内容でちょっとガッカリしたというのが本音だ。
それまでのシリーズ各回では、高いレベルでグローバル化する都市の現状と将来を見つめていた。
しかし、本拠地である東京ではそうしたところまでの掘り下げはされていなかったというのがその理由だ。
日本経済の中心地として発展を続ける東京の今と将来像があまりにも中途半端。
どこに焦点を当てるのかが不明確で分散された感が強い。
人口の流入によって新たに開校した江東区の小学校と、そこに通う子供たちが超高層マンションに住むという現実。
そこから空に向かって広がってゆこうとしている東京の超高層ビル都市化を紹介。
丸の内の再開発を主導する三菱地所と六本木の超高層化を目指す森ビルの計画にも言及する。
丸の内では外国資本の集中も取り上げられていた。
そして、次に東京が拡大するのは地下だという。
山手トンネルのルートまでCGを駆使して見せていた。
オマケに、未来の東京を描いたアニメまで登場する。
はっきりいって、この演出には大きな疑問を感じた。
このアニメのできがよいというのならまだ許せるのだが、なんとも消化不良で東京の未来像というには説得力がなさ過ぎた。
何より、都市としての具体的な未来「像」が描かれていない。
はっきりいって時間の無駄遣いだったように私には感じられた。
余談だが、刑事二人が語り合うシーンが大衆食堂で、二人の背景には定食580円、お酒100円…などとメニューがかかっていた。
これってどうなのでしょう。
単に作り手の遊び心ということなのでしょうか???
それに、取り上げた内容についても、もっと問題点なり課題なりといったところが描かれても良かった。
民間のデベロッパーが主導する再開発にある問題。
こうした大手デベロッパーが手をつけた後に虎視眈々と次の展開を目論む準大手の暗躍はあるのか、ないのか。
拡大する都市機能についても、もっと掘り下げるべきところがあったのではないか。
例えば、先日ニューヨークであったような、1羽の鳥のおかげでジェット機が奇跡の不時着をさせられるようなことは考えられないのか。
など、今動き出している開発についてだけでもいくつもの疑問が湧き上がるはずだ。
なぜそこにまで言及できなかったのか。
わざわざ1回にまとめないで、2回なり3回に分けてもっとしっかりと見せてほしかった。
他の作品と比べて、東京という身近な場所だけに余計いろいろな疑問が浮かんでくる。
それだけに視る人の知りたい心に応えて欲しいとの思いを強くした。
ナレーションの宮迫博之は声のトーンなど概ね好印象だったが、惜しむらくは語尾がはっきりしないところが気になった。
遠藤憲一だったら、さもなければ私の敬愛する武内陶子アナウンサーだったら…との思いがチラッと脳裏に浮かんだ。
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