「最近のテレビは面白くない」というブログに多くの注目が集まっているようだ。
私も、偶然そのサイトを訪れた。
残念ながら、批判の内容も具体性は乏しく、評価する目もしっかりした規準があるようには思えなかった。
それと、2チャンネルで展開されているような記事とコメントのやり取りなのもちょっとガッカリした。
テレビを見なくてもYou Tubeで視ればよいという意見にはガッカリを通り越した失望を感じた。
テレビとYou Tubeとは全く別物だと思うのだが…。
もう少し内容が充実していたら…というのが率直な感想。
批判するだけでなく、「テレビを面白くするにはどうしたらよいか」という見る側からの建設的な意見交換の場であって欲しいと思ってしまった。
そんな中で視聴者からテレビ局を突き動かすようなアイデアが出てくる可能性だってあるのだから。
そして、そうした中でテレビが良い形に変革していったらそれにこしたことはない。
ところで、テレビが面白くないのは今だけだろうか。
テレビの世界に憧れ、そこで30年に亘って生きた立場からいうと、それは今だけのことではない。
過去の名作やテレビの世界のエポックメーキングとなった番組でさえ、本当に面白かったのかどうか疑問だ。
仮にそれが面白かったとしても、それは毎日24時間ひっきりなしに流れる番組のほんの一つか二つでしかないはずだ。
年間に5本も面白い番組に出会えれば儲けものかもしれない。
テレビというのはそんなもののように思うのだがいかがだろうか。
はっきりいって、昔の番組は面白かったと思うのは単なる郷愁ではないか。
さもなければ、その頃は見る目が無いほど幼かったということではないだろうか。
試しに、そうした番組を今もう一度見直して見ると良い。
きっとその頃視て感じたほど面白くは感じないはずだ。
ただ、今の技術の発展がテレビのクォリティーに必ずしも寄与していないというのは実感できる。
以前、日本テレビで「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 」を作っていた菅賢治さん(現在制作局次長らしい)がいっていた言葉を思い出す。
彼はテレビのデジタル化が決まった頃、私に「ハイビジョンでバラエティーなんか撮る気になりません」といっていた。
16:9という画角の中でのバラエティーはそれまでの作りでは笑えない。
それと、笑いは広い画面の中では成立しにくいという現実もある。
それは、映画のコメディーでも同様で、チャップリンにせよキートンにせよ、シネスコのワイドスクリーンの時代に活躍したわけではなかったということからも理解できる。
ワイドサイズの画面で、ハイビジョンのように高画質になったら、全く新しい笑いの形を作らなければ通用しない。
つい数日前、「笑っていいとも」でタモリさんと徳光和夫さんが、今のお笑いタレントたちの才能はすごいと語っていた。
タモリさんは今のお笑いを視ると自信を失うから視ないとさえいっていた。
ただ、才能はあるがその発露の方法をまだ見つけ出せていないのが今の若手のお笑いたちだろう。
加えて、乱造気味にテレビに出てくるから、その才能が開花する前に飽きられてしまう。
そんな流れを食い止めるのも、私たちテレビを見る側の声だと思うのだがどうだろうか。
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